リニヤアンプ用PowerMOSによる実験11
本実験はPowerMOSによる実験10の強化版である。実験11として新たなページとした。
9/02/2007
目標
上側の球形コンデンサーなしの状態での臨界周波数を確認したら
上がっている。ディスクの発熱は少ないこと、
球形コンデンサーも触れない程は加熱されないこと
から駆動不足が考えられた。
球形コンデンサーの容量が減ってマッチングが高まるとすれば、
今までは容量負荷が大きくて充分な駆動ができていない可能性が高い。
そこで、駆動力を2倍にして、スピンを制御し、
これを第1超平面空間に移行させ力場の発生を試みる。
9/02
製作
素子の手配がつきそうなので、駆動装置の規模を2倍にできる。
メンテナンスを考えると平屋で面積方向に大きくするほうが良さそうだ。
実験6の装置を流用して、アルミ板に増設して、
これをヒートシンクに載せることにする。
9/02
平屋にするが、8個の素子は4個×2では距離が離れすぎ
性能が出ないことが想定される。素子だけで
30万円近くするので、性能が出ないと資金の無駄使いになってしまう。
8個×3を直線に並べて配置することが良さそうだ。
実験6のものを切って連結し、これを別のアルミ板に
取り付け、さらにヒートシンクに載せるようにする。
航空母艦のような形になるが、これが最短の実験時間になろう。
9/09
実験6の基盤からトランジスタ用のバイアス回路と、
パワートランジスタを外した。
フィンの半田外しが大変で手間が掛かる。
外した跡の半田をきれいに除去した。
9/17
誤配線等で素子を飛ばすと大きな損失になるので、
実験6の基盤の動作を一通り確認する必要がある。
PowerMOS用のバイアス回路と、ゲート抵抗を実装した。
9/24
三相交流発振器と基準発振器とバッファーを
実験10の基盤から外して本基盤に取り付けた。
虎の子のPowerMOS 12個を半田付けした。
テスターで絶縁を確認したところ3つのドレインが
銅板に接触しており、ショートしている。
一旦半田を外してナイフで削る必要があった。
トランジスターと互換のはずだが、微妙に寸法が違う。
天気が悪いので通電は避けた。
9/30
三相交流発振器と基準発振器とバッファーに通電して、
動作を確認し、所定のゲート電圧があった。
空芯コイルと配線を移植して、ディスクを取り付け
三相ドライブを試した。電源を入れたら異常電流遮断
が働いてしまった。いろいろ調べたらバイアス回路の
アースが取られておらず、すべてのPowerMOSがON状態であった。
スッ飛ばしたかと思いつつ、配線をやり直して再度通電すると
正常動作を開始し、バイアスを増やして三相250Vp-pの運転ができた。
これで実験6の基盤の動作確認が終わり、
2つの実験10の基盤ができたことになる。
10/08
アルミ板3mm×300mm×500mmを購入した。
ドライバーのエミッタ抵抗を変更するのを忘れていたので交換した。
実験7のようにパワーアップには欠かせない。
ついでに42〜43MHzの水晶と発振器を探したら、
幾つかあったのでまとめて購入した。これで細かい実験ができる。
10/14
実験10の基盤から電源フィルター、バイアス回路、
ドライバー回路を外した。ほとんど
全ばらし
の状況で、電源フィルター、バイアス回路のあった右側を切り落とした。
実験6の基盤から三相交流発振器と基準発振器とバッファーを外した。
仮連結してみると何とか合体できそうだ。
10/21
実験6と実験10の基盤のアルミ板4枚を連結するため
切り落とした。久しぶりの板金加工で手が痛い。
PowerMOSが載った板もそれに合わせて切り落とした。
これで連結してみると寸法誤差も少なく、後日合体させる。
インラインで8×3個のPowerMOSとドライバーが並び壮観だ。
10/28
購入した3mm×300mm×500mmのアルミ板に実験6と実験10の
基盤のアルミ板を載せる配置を検討した。
これらをさらにヒートシンクに載せるが、
元々のネジ穴と部品がぶっかって合わない。
色々検討したが、ヒートシンクを縦にすると良いことがわかり、
この配置とする。ディスクを載せるアクリル板の位置も
検討し、ほぼ中央に載せられる。
11/04
3mm×300mm×500mmのアルミ板と実験6と実験10の
基盤にネジ穴を10個空けてタップを切り、
取り付け作業をした。
実験6と実験10の基盤の連結はまずまずで、
アクリル台を真ん中
に設置した。
11/11
実験6と実験10の基盤の半田付けを行った。
熱容量が大きいためしっかりできたとは言い難いが、現状とする。
三相交流発振器と基準発振器とバッファーを取り付けた。
PowerMOSのバイアス配線とドライバーの配線を行った。
ドリルの切り屑や半田のカスなどあちこちに付着していたので
入念に清掃を行う。
11/17
実験
PowerMOSのゲート配線を全数行った。
次に空芯コイルと球形コンデンサーへの配線を4つ分で行った。
実験6と実験10の基盤を半分ずつ使うことにする。
ここで、実験10の配線材では寸法が合わない。
再度配線したが、これではマッチングが変わってしまうが、
仕方ないのでこのまま進める。
トロイダルコアを取り付け、球形コンデンサーと接続した。
これですべて整ったことになり、通電してみた。
一応、バイアス調整したところ200Vp-pの仮運転ができたが、
1相目の位相が合っていない。ぼつぼつ改善していくことにする。
11/25
1相目の位相が合っていないのは位相補正が原因で外した。
電圧レベルが低いのはドライブ不足があるようで、
ドライバーの発振止めの10Ωは不要になった。
全体的なマッチングはもう一度最初からやり直しに近い。
200Vp-pの運転ではダメでもう少しアップしてから
8個のドライブに挑むことにする。
12/02
1相目は位相補正を外してもあまり改善しない。
位相が合っていないのは空芯コイルと球形コンデンサーとの
配線で、1本を短くすると改善する。マッチングが悪いためだ。
さらにプリドライバーのエミッタ抵抗を下げた。
そのためドライバー電源は7Aも消費するようになり発熱が大きい。
250Vp-pの運転ができそうだがまだまだ改善が必要だ。
8個のドライバーをプリドライバー1個では重くないか検証してみた。
ディスクと球形コンデンサーとの配線を外さないと
できない作業で、いろいろ面倒だが、やることにした。
やらなければ、真実が見えてこない。
ドライバーのベース配線4つを外してGNDに落とし、
4つのドライバーとして駆動してみたら、
実験9のような元気な火花と42.9545MHz 1.07C の300Vp-pが帰ってきた。
この結果からプリドライバーは2個のタブルドライブにする必要がある。
そうすれば8個のドライブに挑むことができる。
12/09
プリドライバーを2個のタブルドライブにするが、
そのままではドライバートランジスタは増設できない。
取り外して少し大きい基板に交換する。
部品はそのまま移設して再度、基板に組み込みした。
配線は1つ置きにして回路のバランスを取るようにしたい。
時間が掛かったので通電は後日。
12/16
ドライバーを1つ置きに4個×2系統として配線した。
プリドライバー2個でPowerMOS2個をドライブしてみた。
5から8は外してある。
PowerMOSは計4つの動作であるが、波形はボーッと汚く、不安定だ。
電圧も上がらず200Vp-pがせいぜいであった。
今までの4つの動作とは違うようで、さらに検討を要する。
4つのドライブと言っても空芯コイルと球形コンデンサーとの
配線4本でマッチングされていた。4本が違う長さのため
それぞれの長さに意味がある。
2本ずつではマッチングがないためこのような現象となるらしい。
12/24
プリドライバー1つ(a)と配線4本、つまり従来と同様にして動作させた。
2相目の一番長い配線は17cmもあってうまくいく気がしない。
通電すると配線4本でもマッチングが悪いせいかボーッと汚い。
いろいろ配線の長さを変えてみたが長い配線が悪いようで
まだ、汚い。パラスティック発振ぎみでよろしくない。
そこで、短い配線をもっと短くすると改善した。
入力レベルを綿密に調整するときれいな正弦波になるところがあった。
250Vp-pは出るようになった。
もう1つのプリドライバー(b)も同様に調整する必要がある。
そうしないと8個の安定な駆動はできない。
12/30
プリドライバー(b)側に配線4本を施し、駆動してみた。
プリドライバー(a)の配線は外してある。
1相目は300Vp-pは出るが2相目は100Vp-pしか出ず、
3相目は200Vp-pだった。配線は少しくらいいじっても改善はしない。
プリドライバーの配線は1つ置きにして回路のバランスを取る
ということだったが、トータルの配線材は増加している。
つまり長いわけで、この方法は良くない結果だった。
これでは8個の安定な駆動はできないので中止した。
そこで、プリドライバー(a)側に順次で配線4本を施し、
プリドライバー(b)にも順次配線した。これが一番短い配線である。
そして、各ゲートの位相を見てみた。
(a)と(b)に30°くらいの位相ずれがあった。プリドライバーから
ドライバーへの配線の長さの違いがある。長さを揃えると
位相は合う。つまり、長さによって位相はずれていき、
合成電圧は小さくなってしまうことが解った。
これは空芯コイルと球形コンデンサーとの配線にも適用される。
今までさんざんやってきたカット&トライは無駄ではなく、
最適化作業だったわけだ。
部品配置と配線距離は8個すべて違うため、電気的に位相を
合わせ込まないと高い電圧は得られないことが判明した。
1/06
プリドライバーからドライバーへの配線の長さが長く
ディスクからかぶっている。配線をいじると状況がコロコロ変わる。
そこでシールド線6本に交換してみた。しかし、安定度が悪くボーッと汚い。
容量が付加されたためである。昔もシールド線はダメだった。
短い配線にする必要がある。
1/13
並列動作はそれぞれの素子の位相が狂ってうまくいかないようだ。
そこで、プリドライバー(a)と(b)のエミッタを共通とし1つのドライバーとして
動作させることにした。これでプリドライバーからドライバーへの配線は
最短になる。一番遠い2つをはずしてインラインで6×3個のPowerMOS
で駆動させてみた。
まず、波形がとてもきれいだ。
1相目は250Vp-pでやや低いが2相目は300Vp-p出る。3相目は350Vp-pだった。
動作はとても安定で、調整と電源電圧を上げれば400Vp-pはいけそうだ。
また、位相精度も良く、この方法は良い方向と言えそうだ。
今後、8個の駆動に挑むが、電源の容量が不足ぎみだ。
1/26
残り2つを接続して8個の駆動にしてみた。
しかし、全然電圧が低く100Vp-pしかなくボーッと汚い。
空芯コイルと球形コンデンサーとの配線が長いためかと思い、2つとも外してみた。
それでも状況はほとんど変わらない。ドライバーの駆動ができていないようだ。
一番遠い2つをはずして元の6×3個にすると電圧が高い。
無理して8個の駆動にこだわっても難しいようだ。
2/3
1相目がやや低い原因を探った。これといった回路の不具合はない。
そこで一番遠い素子(プリドライバーに近い)の空芯コイルと球形コンデンサーとの配線を外した。
すると電圧が20Vp-p上がる。電圧向上で足を引っ張る素子がある。
三相目も試したら同じだった。しかし、2相目は逆だった。
ドライバーの発振止めの10Ωの有無としては、あったほうが安定であった。
ドライバーへの配線は銀メッキ線にしてみたが、かえって電圧は落ちた。
安物ビニル銅線でうまいことマッチングされているようだ。
2/11
電圧向上で足を引っ張る素子が良くならないか検討してみた。
ドライバーがおかしくなっていないか交換したが、そのようなことはない。
カップリングコンデンサーの定数変更しても変わらない。
空芯コイルなしにしても余計悪くなる。
球形コンデンサーとの配線を太くしても改善しないが、
別の素子(プリドライバーに遠い)では電圧が上がる。
各素子の微妙な位相の違いによるもののようだ。
2/21
ドライバーの入力にローパスを入れて調整できるか試してみたが、
難しい。定数を大きくしていくと突然パラスティック発振になる。
それまで変化なし。
6個の素子のうち真ん中の2つの素子の球形コンデンサーへの配線を外した。
この2つは短い配線である。
そして、電圧向上で足を引っ張る素子の配線を接続すると電圧が上がる。
つまり、短い配線と長い配線の相性が悪い。
では長さを揃えると改善するかと言うとそうでもない。
実験5や8でさんざんやった通り
マッチングをいじると全体に影響して、
ある相は電圧が上がるが、他の相は減るといった、
いたちごっこになってしまう。
3/04
上下の球形コンデンサーの取り付けがずれているので修正した。
経時変化で電気的結合が甘くなるので、
外したついでに給電する銅箔との接触を改善するためエタノールで
清掃した。
3/17
上下の球形コンデンサーを修正したら位相が改善した。
短い配線を1つ外して、長い配線を接続すると位相が1.5nsec進み
隣の相の電圧が上がった。プリドライバーに近い素子なので
位相が早いためであろう。
すべての素子の位相を平均化すれば改善していくようだ。
3/23
電圧向上で足を引っ張る素子を改善するには電気的な対策は難しいため
配置的に位相をずらすことにした。つまりやや遠回りの配線にすれば良い。
そこで、給電点をインラインの先頭ではなく1つ後ろにした。
こうすると一番遠い素子(プリドライバーに近い)の位相が遅れる。
配線を変更して駆動してみると、電圧が上がった。
各相250Vp-pで、位相もきちんと合っている。
4/05
電圧が向上したが、確認のため発振器を水晶からCRタイプに変更し
周波数を振ってみた。すると43.7MHzがピークになっている。
球形コンデンサーとディスクの物理的なものは変更していない。
素子を増設したため駆動力が向上したと仮定し、
空芯コイルの配線をはずして素子を2つまで減らした。
すると、やはりピーク周波数は従来通りのほぼ40MHzであって、変わっていない。
素子が5つでは42.8MHzであった。
駆動力が向上したため周波数が上げられたことになる。
これは球形コンデンサーが大きくなったことに相当し、
電荷の出し入れが強力になったためと考えられる。
4/13
ディスクの物理的な条件は同一でありながら、限界周波数が上がることは非常に興味深い。
冷却時間をおいて、再度実験しても素子が5つでは23.34nsec=42.8MHzであった。
この現象は大型のチタン酸バリウムディスクになっても同じことが起こると考えられる。
強力な駆動素子を多数使用することによって限界周波数が上げられる
とすれば、光速度の2乗(第2超平面)は夢ではない。
今回の実験11で駆動素子を増設したことは無駄ではなかった。
第0超平面と第2超平面をこの電磁場で接続
すれば物質をすべてエネルギーに変換できる可能性がある。
究極の原子炉(E=mC二乗)が遙か遠くであるが、見えたような気がする。
素子5つで42.9545MHz各相300Vp-pを達成した。
4/20
このディスクの限界周波数(事象の水平線)は40.24MHzである。
駆動素子が5つでは23.34nsec=42.84MHzであり、
その差2.1MHzは駆動素子が3つが稼ぎ出したものとすると、
球型コンデンサー中央間の電気的円周は214.2mmから
200.6mmに短縮されている。その差は13.6mmである。
もし、比例計算で合えば、もっと増設して各相を214.2÷13.6=15.75倍の
16×3+2個にすると円周長が消えることになる。
つまり、強力な駆動素子を多数使用することによって
電荷の出し入れが強力になって、限界はなくなり周波数が上げられる。
4/27
50個の駆動素子による電荷の駆動力はCoss75pFとして、1相あたり3750pFは抜き取れるだろう。
Q=CV
電圧を300VとしてQ=3750×10の-12乗×300V
1秒間に42.84MHzの回数あるので
Q=3750×10の-12乗×300V×42.84×10の6乗
Q=48.195C
1秒間に約50Aは必要ということになる。3相あるので150Aもの電流が必要となる。
電圧の実効値として220Vであれば33KWという電力が要る。
5/04
6個の素子で駆動するには先頭の1つを加える必要がある。
位相合わせとして給電点をインラインの先頭から2つ後ろにした。
その結果、素子6つで1と3相目は350Vp-p、2相目は280Vp-pを達成した。
2相目のドライバーへの電圧が低い。
5/11
2相目の電圧が低い原因を探った。
その結果、プリドライバーの前のバッファーのエミッタ抵抗が
小さすぎ直線性が劣化していた。電流の取りすぎであった。
最適値は4倍くらいだった。2相目は300Vp-pくらい出るようになったが、
まだ低い。位置が悪いと考え、素子を1つ分ずらしてみた。
しかし、逆に電圧は落ちた。
今回の変更は全相に適用した。すると1相目と3相目は350Vp-p以上出るようになった。
5/18
電圧が低い原因は幾つかあるが、PowerMOSの入力が小さい。
ゲート抵抗を小さくできないか、試した。
24本を10Ωから1Ωに変更した。
交換してみたところ、やはり小さすぎためか動作が不安定になり、
消費電力も大きくなる。1/2波形が出てきてよくないこともある。
一番遠い素子1(プリドライバーに近い)だけ1Ωに変更すると
多少改善する。1相目は400Vp-p以上出るようになった。
プリドライバーとドライバーの間に銅板のシールド板を入れると
電圧が数%上がるが、原因が特定できていない。
5/25
素子2のゲート抵抗を小さくできないか試した。10Ωから4.7Ωに変更した。
メイン電源を交換して全相300Vp-p駆動を試したが、2相目が280Vp-pと低い。
電源のパスコンが効いていないようなので、新規に追加した。
ディスクのY接続の中性点とアース間にコンデンサーを色々付け替えてみた。
ケミコンなどはかえって状況が悪化した。大容量タンタルも効果がなかった。
積層セラミック10μFを3ケ付けるとやや改善した。
これにより位相が改善し、ほぼ完璧に近い三相交流が得られた。
2相目の電圧は改善する必要がある。
6/08
2相目と3相目の空芯コイルと球形コンデンサーとの
配線に余裕があるので、15mm短くした。3相目の電圧は30Vくらい改善した。
2相目の位相合わせとして給電点を1つ戻して、
インラインの先頭から1つ後ろの素子2にした。
これらによって50Vくらい電圧が上がった。
しかし、位相が合わなくなり今一の結果だった。
どうも空芯コイルと球形コンデンサーとの配線をいじったのが、
裏目に出たようだ。電源供給しているY接続の中性点を
2相目の電源から3相目にずらすと若干改善する。
6/15
空芯コイルと球形コンデンサーとの配線を短くしたが、
短くしたものはさらに短くなって位相を引っ張りすぎるようだ。
全部の相の3,4,5の素子の配線を20mm程度長くしてみた。
すると2相目の電圧が改善した。全相300Vp-p駆動ができる。
しかし、位相はいまいちで改善しなければならない。
手間が掛かるが、泥沼戦でマッチングをいじれば改善するだろう。
6/22
空芯コイルと球形コンデンサーとの配線を検討した。
泥沼戦であるが、1相目の配線を全般的に長くすると
2相目と合うようだ。ところが1−3相目がずれてくる。
相変わらずマッチングをいじると全体に影響して、
ある相は電圧が上がるが、他の相は減るといった、
いたちごっこになってしまう。
プリドライバーとドライバーの間に銅板のシールド板はあったほうが良く、
ディスクからかぶっている。半田付けして固定した。
7/06
1相目の配線と2相目の配線を外して長さを確認してみた。
やはり2相目の配線は長いものが1本多い。しかも140mmと長すぎる。
ディスクの物理的な位置が8個素子用になっているからであるが、
6個素子用に位置を30mmずらすことにした。アクリル板の穴を追加加工した。
再配線して通電したところ2相目の電圧が低く200Vp-pでまったく改善していない。
2相目の空芯コイルと球形コンデンサーとの配線は一番短くなっていて20mmが
2本になっている。これだけ短ければ効率は高まるはずだ。
全相の位相はだいたい合っている。
試しに20mmの2本を外して4個の素子で駆動してみた。
なんと300Vp-p駆動ができる。すると配線20mmの2本は足を引っ張っていたことになる。
やたら短くすれば良いというものではない。
3相目の電圧は400Vp-p以上出るようになった。
空芯コイルと球形コンデンサーとの配線は3の素子などを基準にして
1本1本長さを検討していくほうが近道のようだ。
三相入力を絞っても球形コンデンサーからディスクの電荷は常に抜いているため
別の相にも影響が及ぶが、この方法しかやりようがなさそうだ。
7/13
1−3相目の位相を確認すると近すぎる。
改善するため時間をかけて1本1本長さを検討してみた。
しかし、改善はしない。
そこで、ディスクの位置を180度回して2相目が一番近くなるよう
にしてみた。配線は1−3相目より短くなる。アクリル板の穴を追加加工した。
再度配線して通電してみたところ、2相目の出力が激減してしまった。
これではまったく実験にならず、1日を無駄にしてしまった。
7/20
1−3相目は1/2波形が出てきている。どうやらズッコケモードに近いようで、
これでは失敗だ。2相目の3,4番目の素子の配線を外すと150Vp-pほど出る。
この配置は1−3相目の出力も300Vp-pしか上がらず良くない。
今までこの配置では実験していないし、継続性の点からもどすべきか。
7/27
ディスクの位置を戻し、素子4つで再度配線した。
しかし、ズッコケモードになっており、おかしい。
今までの相と球形コンデンサーの配置が違っていた。
球形コンデンサーは120度配置ではあるが、完全なものではなく
微妙にずれがあるためこのようになったらしい。
8/03
球形コンデンサーを120度時計回りにずらしてみた。
しかし、状況は同じだった。機械的な微妙なずれは関係なさそうだ。
素子6つで再度配線した。やはり2相目の電圧が低い。
200Vp-pしか上がらず良くない。
根本原因は球形コンデンサーと回路の物理的な配置に帰着する。
2相目が1−3相目に比べて不利な配置だ。
8/10
回路の物理的な配置で性能が決まってしまうのは製品一般に
言えることで、配置の悪い物は性能も悪い。
いくらいじってみたところで、誤魔化しているだけだ。
時間も経過しているのでどこかで見切りを付ける必要がある。
8/17
実験中に空芯コイルと球形コンデンサーとの配線がはずれ
ドライバーのエミッタとショートしたようだ。
素子が生きているかテスト用のリングコアに4回巻いたもので全数チェックした。
やはりドライバーが1つ破損していた。交換に手間取った。
ついでにプリドライバーが2つ並列の効果があるのか確認すると、
やはり1つよりはドライブ能力は高かった。
素子4つで再度配線した。今度は3相目の電圧が低い。
ディスクをやや反時計回りにしていたためだった。
やはり空芯コイルと球形コンデンサーとの配線は敏感だということがわかった。
8/24
3相目の電圧が低い原因について調べたところ
空芯コイルと球形コンデンサーとの配線が長すぎたためであった。
3本を10-15mm程度短くすると250Vp-pくらい出る。
しかし、素子4つではズッコケやすい。各位相は良く合っている。
9/06
素子4つで実験していたが、6つのベースの配線したままだったので、
位相が合わないことが判明した。しっかり素子6つで実験しないとダメらしい。
2相目の位相合わせとして給電点をさらに1つ戻して、インラインの先頭からにした。
そして、2相目の5,6番目の素子の配線を外した。
これにより、各位相がぴったり合うようになった。
素子を増やすと限界周波数が上がるという現象が再確認できた。
いくら電圧が高くなっても位相が合っていなければ意味がない。
2相目の5,6番目の素子の位相は1相目に近い。
各相250Vp-p程度は出るようになった。
位相がぴったり合うと球形コンデンサーの発熱はどれも同じになり、
ディスクも均等に発熱する。しかし、これだけ発熱すると放熱装置が必要なのか。
実はアダムスキータイプの磁気柱と虚磁荷ケーブルはガス冷却配管で、
パワーコイルは放熱器(ラジエター Radiator)の可能性があるように思える。
9/14
この実験での結果10/05
- 駆動装置の規模を2倍にして、8個の素子の駆動を試みたが
ドライブが難しく、6個の素子の駆動がせいぜいであった。
- 並列動作はそれぞれの素子の位相が狂ってうまくいかない。
プリドライバー(a)と(b)のエミッタを共通とし1つのドライバーとして動作させる
と出力が上がる。
- ドライバーの給電点をインラインの先頭ではなく2つ後ろにした。
- 43.7MHzがピークになっている。駆動素子を増やすと臨界周波数が上がる。
多数の駆動素子にすればディスクの自由な電荷が減って、すべて制御下に置けば
限界はなくなり幾らでも周波数が上げられる見込みがある。
この現象は物理的に非常に興味深い。
- 2相目の電圧が低い。 球形コンデンサーと回路の物理的な配置に帰着する。
2相目が1−3相目に比べて不利な配置になっていため電圧が上がらず、
目新しい現象は捉えられなかった。
- アダムスキータイプの磁気柱と虚磁荷ケーブルはガス冷却配管で、
パワーコイルは放熱器か。
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